一戸建てを検討中の方の中には、土地を購入するところからスタートされる方も多いのではないでしょうか。
すでに相続などで土地をお持ちの方だと、その土地に家を建てることになるでしょうが、新しく土地を購入される方なら、できるだけ「いい土地」を購入して、理想の家を建てたいものですよね。
ところで、「いい土地」とはどんな土地なのでしょうか。
今回は、土地を購入される方それぞれの「いい土地」とはどんな土地なのか、そして「いい土地」を手に入れるための方法についてご紹介します。
1、あなたにとっての「いい土地」とは?
理想のマイホーム作りのために最初にすべきことは、「いい土地」を探すことです。一口に「いい土地」と言っても、人それぞれ価値観は異なります。
例えば以下のように、マイホームに求める土地には、人によっていろいろな優先したい条件や価値観があるでしょう。
- 交通アクセスやショッピングが便利な土地
- 人気の校区があるエリアにある土地
- 広さのわりに価格が安いなどコストパフォーマンスの良い土地
- 緑が多く、治安も良い土地
- 地盤が強く災害時の被害リスクが少ない土地
- 道路が広く通学にも安全な土地
希望通りの土地が見つかれば一番ですが、全ての希望を満たす土地が運良く見つかるとは限りません。
また、希望条件がたくさんあればあるほど、土地の価格も上がりますので、予算オーバーになる可能性もあります。
そこで、自分の予算にもマッチした上でできる限り「いい土地」に巡りあうために、希望条件の絞り込みを行い、優先順位をつけていくことをおすすめします。
これが自分にとっての「いい土地」を探す近道です。
2、自分に合った「いい土地」の探し方4つとそれぞれの注意点
それでは、どのようにして自分に合った最適な土地を見つければ良いのでしょうか。
(1)インターネットで土地情報を検索する
土地を探す方法といえば、インターネットを利用して「〇〇市 土地」、「〇〇市〇〇町 土地」、などのキーワードで検索するか、不動産会社のホームページから売土地の情報を検索していくというのが一般的な方法です。
この方法を使えば、自宅や外出先でもパソコンやスマートフォンを使えば簡単に土地探しができます。
しかし、1週間経っても2週間経っても掲載されているような、売れ残っている土地しか見つからないというデメリットもあります。
(2)不動産屋に行って尋ねる
家や土地の情報なら、自分で検索するよりも不動産業者の営業店舗に直接行って聞くのが一番早いとお考えの方もおられるでしょう。
確かに、インターネット上で検索できるような土地であれば、不動産屋に出向いた方が、掲載されている土地をはじめ、その他にも似たような土地をいくつか紹介してくれることもあるでしょう。
しかし、ここでも少し注意が必要です。
不動産業者はあくまでも家や土地の売買の仲介業者だということを忘れてはいけません。
土地を探しているお客さんがいれば、確かに売り出し中の土地を紹介してくれますし、土地の購入の際には、重要事項説明もしてくれるでしょう。
しかし、家のプランまでお手伝いまでしてくれる不動産会社は少ないです。
もちろん、売買契約時に重要事項説明をしてくれますが、土地の広さに対してどのくらいの広さの家が建てられるのか、家を建てた場合の日当たりまで想定して相談に乗ってくれる業者は決して多くありません。
土地自体の地盤の強さなどもしっかりと教えてくれない業者もいます。
そのため、不動産業者で土地を購入したものの、地盤が軟弱で、いざ家を建てるというときに地盤改良工事をしなければならなくなり、その分、お金も時間もかかってしまい、予算をオーバーしてしまったという話もよくあります。
もしも不動産業者に紹介された土地が気に入った場合には、土地の購入前に、家の設計を依頼する予定の一級建築士に同行してもらい、その土地の地盤、建ぺい率、容積率などをチェックしてもらい、理想の家が建てられる土地なのかを把握しましょう。
(3)自分の足で希望エリアを歩いて探してみる
インターネットで検索しても、不動産業者に相談しても、良さそうな土地がすぐには見つからないという場合には、一度自分の足で希望のエリア周辺を歩いてみましょう。
広範囲で探すなら車で回ってみるのも良いでしょう。
自分の足で歩いて探してみると、「売土地」と書かれた看板などはないけれど、意外と家も建っておらず、草が生えているような手入れのされていない空き地がいくつか見つかることがあります。
このような空き地を見つけたら、最寄りの不動産会社や家の施工を依頼する予定の工務店などに連絡し、誰が管理している土地なのかを調べてもらいましょう。
(4)工務店やハウスメーカーに直接相談に行く
一戸建てのマイホームを検討されているなら、土地を探すことから始めるのがセオリーですが、実はそれと同時併行で家の施工の相談ができる工務店や、ハウスメーカーも探しておかなければなりません。
つまり土地探しと業者探しはセットで考えなければならないのです。
もしも、土地は不動産業者に、家はハウスメーカーか工務店に……と別々に考えられているなら、土地購入の目的で不動産業者に相談に行く前に、ぜひ一度、工務店やハウスメーカーに直接相談に行って、「この辺りの土地に、こんな家を建てたいのですが…」と土地と家の間取りの相談をしてみましょう。
その理由は、工務店やハウスメーカーであれば、土地・家・諸費用のトータルで見積もりを立ててくれるので、土地と家にかかる費用のバランスがわかりやすく、予算オーバーになるリスクも防ぐことができるからです。
また、不動産業者は、インターネット上や新聞の折り込みチラシなどに掲載しない手持ちの売土地情報を持っている場合があります。
いわゆる「物件の囲い込み」と言われる手法で、問題になっているケースもあるのですが、良い条件の土地や物件は、ずっと売り出しのチャンスを待っている顧客がおり、実際には、囲い込みをする以前に、広告に掲載する前に売れてしまうこともあるのです。
だから、飛び込みで不動産業者に行くよりも、工務店やハウスメーカーに行って家と土地を購入する意思があることを伝え、工務店側に土地の交渉をしてもらうのがおすすめなのです。
工務店やハウスメーカーなら、間取りのプランや予算も出してくれますし、「購入意思のあるお客さんを紹介できる」と、業者同士で上手に交渉してくれるので、希望の土地を購入しやすくなります
(5)人気エリアで、どうしても土地がない場合は?
「家を建てたいエリアが人気で、ここまでご紹介した方法を使っても、なかなか土地が見つからない、けれどもどうしてもこのエリアで家が欲しい」という場合には、中古物件の購入も視野に入れましょう。
土地付きの中古物件の購入をして物件の解体工事をおこない、更地にしてからご自分の理想の家を建てるという方法です。
ただし、これは、そのエリアにこだわる方の最後の手段であり、費用はかなりかかってきますので、資金に余裕がある方のみにおすすめできる方法です。
3、気にいった土地が見つかったら?相場の調べ方と後悔しない土地選びのチェックポイント7つ
(1)土地の相場の調べ方
気に入った土地が見つかっても、相場を知らずに購入すると損をする可能性があります。
例えば、相場より高い土地を買ってしまうと、将来売却することになった場合、購入した時よりもかなり安い価格で買い叩かれてしまうかもしれません。
いい土地を失敗せずに購入するには、やはりそのエリアの相場を把握し、相場と同じような価格のついている土地を購入するのがベストです。
そこで、土地探しの段階で、土地の相場の調べ方を覚えておきましょう。
①インターネットで不動産情報サイトを検索する
SUUMO、HOMES、at homeなどの大手不動産情報サイトでは、現在売り出し中の土地が掲載されています。
希望のエリアの土地情報をここから調べることで、相場に近い数値を知ることができます。ただし、この数値は売り出し価格なので、あくまでも相場に近いだけです。
実際は、売主と買主の間で価格交渉がなされ、値引きされる可能性もあるからです。しかし、ここでおおよその相場感を掴んでおくことは大切です。
②国土交通省の土地総合情報システムを利用する
国土交通省では、不動産取引価格や、最新の地価公示価格を知ることができます。実際に取引された価格をアンケートで集計し、公表しているので、信頼性が高いのが特徴です。
地価公示価格の検索方法は、インターネットで土地総合情報システムのホームページを検索し、そこから地価公示・都道府県地価調査の項目をクリックします。
そして調べたい都道府県、市町村を順にクリックしていき、購入したい土地の住所地に近いものを探すだけです。
公表されている地価調査の数値を見るときは、1㎡あたりの価格で表示されているので、購入したい土地の面積で計算し直して相場をつかむようにしましょう。
③路線価
路線価は相続税など税金を計算するために、国税局が決めている土地の価格のことで、国税庁のホームページからチェックすることができます。
ただし、路線価は公示価格の概ね8割程度とされていますので、基本的には公示価格を目安に相場を掴むと良いでしょう。
(2)後悔しないために!土地選びで抑えておくべき7つのポイント
「せっかく土地なのに土地の条件や状態が悪くて、理想の間取りを実現できる家が建てられない!」
このような事態を防ぐためにも、土地購入前に最低限知っておいた方が良い7つのポイントについて最後にご紹介します。
①接道義務
建築基準法により、建築物の敷地は、面している道路に2メートル以上接しなければならないとされています。これを接道義務と言います。
昔ながらの土地でこれまで建て替えなどをしてこなかった袋地や旗竿地は前面道路が2mに満たないことが多く、再建築不可と見なされることもあるので接道義務を満たしていない土地の購入には慎重になりましょう。
②建ぺい率、容積率、用途地域
新たに建物を建てる場合、都市計画法により、用途地域によって、敷地に対してどのくらいの大きさの家が建てられるか、細かく規定されています。
これは、住宅、オフィスビル、店舗、工場など、それぞれに適した環境は異なるため、用途の違う建物が混じって環境や利便性が悪くなることを防ぐための法律ですので、工務店やハウスメーカーと相談し、理想の間取りが作れる土地かどうかしっかり確認しましょう。
③地盤
川の近くや低地、山間部などに家を建てる場合、そのままの状態で家を建てると、家が傾いてきたり、地震や台風による水害があった場合に多大な被害を被ったりする可能性があります。
そのような被害を防ぐ目的で、軟弱な地盤に家を建てる場合、地盤改良工事が必要となり、別途工事費用がかかってきます。
地盤の強い土地であれば必要のない費用ですので、土地選びの際によくチェックしましょう。
⑥土地の形状や高低差
接道義務のところでもご紹介しましたが、袋地や旗竿地は、建て替えができない可能性が高いので将来的に売却する可能性があるなら避けるべきでしょう。
また、例えば三角形の土地だと、家の形が個性的になってしまうことがあります。建てにくいために小さめの家になってしまうこともあるでしょう。
こういったトラブルを避けたいという方は、土地の形にもよく注目しましょう。さらに、土地の高低差にも注意しましょう。
坂の多い地域によくあるのですが、道路より低い土地に家を建てると、外を歩いている人に家の中が見られやすくなってしまいますし、日当たりが悪い、道路からの雨水が入り込みやすいなどのデメリットも考えられます。
住んでから後悔したのでは遅いので、周囲の環境を目で確認したり、地図や自治体の公表しているハザードマップなどをよく見たりして土地を選ぶようにしましょう。
まとめ
いかがでしたか。今回は、「いい土地」に出会い、理想のマイホームを作るために必要な土地探しについての知識や押さえておきたい注意点などについてご紹介しました。
理想の土地に出会うためには、とにかく自分の目でたくさんの土地を見て目を肥やすことです。そして、土地にこだわりすぎて予算を大きくオーバーしないためにも土地と家の費用バランスをあらかじめ決めておくことが大切です。
今回の記事が、これから土地探しをされる方のご参考になれば幸いです。