資産価値が高いのにリーズナブルな一戸建てを見極めるための全知識

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終の棲家である我が家。一戸建ての購入を検討している方の中には、こう考えていらっしゃる方もいるでしょう。自身の勲章として、あるいは家族の憩いの場として。購入動機はさまざまです。が、不動産営業の立場からすると「ちょっと待った!」とストップをかけたくなります。

その一戸建て、ただ買うだけでいいのですか?

ヴァイオリンや陶器に代表されるように、同じ品物でも価値が全く異なります。工場で大量生産された食器と名工の作では比べるまでもありません。不動産でも同じことが言えるのです。知らずに買うなんてもったいない!

この記事では、一戸建ての資産価値の基準とそれを見極めるための知識についてお話します。

1、資産価値が高い一戸建てを買うメリット

「気に入った物件を変えれば、それでいいよ」というお客様は少なからずいらっしゃいます。「わざわざ資産価値の高い物件を探さなくても・・・」という方も。

それも本音であると思います。しかし、私たちが接客して来た中には、「思いもかけず転勤になった」「事情があり、家を手放すことにした」など、やむを得ぬ事情で家を手放す方もいたのです。そう言ったときに、やはり資産価値の高い家ほど買い手がつきやすく、また、売られる方も納得のいく価格になることが多かったのです。

もちろん、手放す前提でなくとも、資産価値の高い家というのは満足度が高いケースが多いので、住んでいる方自身が満足されることと思います。

2、資産価値が高い一戸建てを見極めるポイント

それでは、本題に入りましょう。皆さんは、一戸建ての価格がどのように成り立っているかご存知ですか?

一戸建ては、二つの要素で成り立っています。

土地と建物です。この二つは、分けて評価されます。もう築何年かわからない老朽した家が建っているのに、やたらと価格が高い物件がありますよね。

あれは、建物ではなく土地が高いのです。逆に、新築の家でも破格なのは、土地が安いからだと言えます。

それぞれについて、資産価値が評価されるポイントを見てみましょう。

(1)土地の資産価値の基準

住宅を支える基盤である土地。

土地の資産価値は、立地条件によって決定されます。主なポイントを見ていきましょう。

①土地の利便性

駅やバス停へのアクセス、スーパーなどの商業施設への距離は重要な評価要素です。生活をするにあたり、これらの要素は欠かせません。

不動産は「動かせない資産」です。土地がどこにあるか、というのは最重要と言っても過言ではありません。

少しでも評価が高くなるよう、利便性の良い土地を選びましょう。

②土地の広さや形

土地の広さや形も、評価につながります。奇抜な形の土地では、建築可能な建築物が限定されてしまいます。「その土地にニーズがある」人々にとって手ごろな広さと形をしていると良いでしょう。

③地盤の丈夫さ

地盤の丈夫さは住宅建築において大切な要素です。もし、以前沼地や畑などで、地盤の強さが十分でない場合、補強工事をする必要があります。その分の出費は当然買主の負担となりますので、その点も十分チェックしましょう。

④接道条件

どのように道路に接しているかも、重要なポイントです。建築基準法では、家を建築するにあたり、道路に接する面積を厳密に定めています。2メートル、場所によっては3メートルですが、単に触れていればいいという訳ではありません。都心によく見られる「旗竿地」のように、細長い土地を伸ばして道路に触れさせ、建築条件をクリアしている物件もあります。

また、ただ道路に接していればいいという訳でもありません。接している道路が市町村長や知事に許可をもらう「位置指定道路」ですと、資産価値が下がってしまいます。

接する道路の幅にも規定があり、4~6メートルが良いと言われています。これは車が相互通行ができるギリギリの幅です。

⑤災害の有無

地盤の強さや津波、他の災害が今まであったかどうかという点も気にする人は多いでしょう。仮に災害があった場合、避難所への距離や防災設備で評価を上げることもできます。

国土交通省「ハザードマップポータルサイト」

http://disaportal.gsi.go.jp/hazardmap/

こちらでは、全国の自治体から寄せられたハザードマップを一望できます。

自分の希望している土地が、ハザードマップの範疇にないか確認しましょう。

⑥用途地域は「住居系」一択

都市計画法により、場所により土地の使用用途が定められています。住居系の地域は、その名の通り住居のために用意された土地です。工業系でも住居が立てられるケースはありますが、将来的に近所に工場が立つ可能性があります。将来にわたって静かな環境を望むのであれば、低層住居専用地域の第一種低層住居専用地域をお勧めします。

例えば今現在は安い土地でも、新幹線や空港の設置計画が持ち上がった途端に高沸することがあります。逆に廃線になれば地価は下がります。

土地の資産価値には、自身ではどうしようもない要素も多分に含まれているのです。

⑦角地であればいい?

住宅購入に際して、多くのサイトや書籍が角地の購入を勧めています。ですが、角地であればやみくもに購入して良いというものでもありません。先にお伝えしたような接道条件もありますし、いくら角地でも日当たりが悪ければ買手はつきません。

また、土地によっては建築条件がつき、実際の土地面積よりはるかに小さな建築面積になると言ったケースもあります。ご検討されている土地がどんな土地か、よく調べて吟味しましょう。

(2)建物の資産価値とは?

建物にも資産価値があります。親しければ評価は高くなる傾向にありますが、一概にそうとも言えません。

「自分の住む家なのだから、好きに作ればいいじゃないか」という意見はもっともです。しかし、いざ手放すとなった時、あまりに独自性がある住居は売れ残ってしまいます。

家を購入する時に手放すところまでは考えないでしょう。しかし、売るとなると「自分のこだわり」がネックになる可能性もあるのです。それを踏まえたうえで、建物の資産価値の基準を見てみましょう。

①基本的な性能

建築構造もそうですが、使用された素材の耐久性も評価されます。梁や柱は早々に動かせませんので、建物の構造は特に重要視されるところです。

最新の防犯設備を取り入れていたり、全室ペアガラスや床暖房になっていたりなど。照明や小道具は購入後に自分の好みで変えられますが、こういった基本性能は変えられません。最も重視すべき要素とも言えます。

②間取りや広さ

家族の姿ごとに最適な間取りや必要な広さがあります。購入後にリフォームすることも可能ですが、できれば最初からある程度は条件を満たしている物件を選びたいものですよね。

近年では間取りを重視して中古物件を選び、自分好みにリノベーションするスタイルも流行しています。こちらは物件の親しさより、立地など他の要素を重要視するケースが多いようです。そういった視点で物件を見られるようになると、選択肢が広がるかもしれません。

③通風や採光、窓の設備

風の通り具合や光の入り加減は、生活するにあたって欠かせない要素です。そして、建築後には変えにくい要素でもあります。また、周囲に新しいマンションなどの建築物が建った場合、条件が一変します。

「そうはいっても、そこまで調べられない」と思ったら、Google mapで周辺の状況を見て見ましょう。マンションやビルが建ちそうな空いた土地はないか、夕方の陽射しはどうかなど具体的な情報が得られます。こうやって周囲の土地の状況を見ることも大切です。

④ライフスタイルの変化に対応しているか

歳月と共に変わる家族の在り方に変化している家かどうか、というのも重要な評価項目です。具体的には玄関に段差はないか、階段の傾斜はゆるやかで踏み幅があるか、浴室やトイレはリフォーム可能になっているかなどです。将来的に手すりをつける可能性がある廊下も、それを見越して幅が広い方がいいでしょう。

⑤リフォームしやすい作りか

スケルトン・インフィル住宅(建物の構造と住居設備が切り離されて建築されている住宅)のように、リフォームしやすい住宅は後の買い手に利便性が高いので評価がされます。ライフスタイルにあった変化に対応できる住宅であれば資産価値が上がります。

⑥「住宅性能表示制度による評価書」の有無

住宅性能表示制度は、国土交通省大臣が定めた一定の評価基準に基づき、新築の戸建てやマンションを評価する制度です。これに限らずホームインスペクターによる住宅診断書など、第三者からの評価書は、住宅の資産価値を保証するものになります。

(3)リーズナブルと判断する基準は?

これまで、土地と建物それぞれの価値基準を見てきました。一戸建ての価格には、土地や間取りなどの複合要素が絡みます。その中で「これはリーズナブルだ」と判断するには、下記の条件を吟味する必要があります。

  • 周辺の物件の相場と同価格帯、もしくは安かった
  • 立地が良い
  • 建築の基礎構造が良い
  • 間取りが応用しやすい
  • リノベーションできる物件だ
  • 周辺環境が良い

(4)周辺物件との比較には地元に精通した不動産会社が一番

本当にリーズナブルな物件を探している時、近隣の情報が入ってくるのは、なんといっても地元密着型の不動産会社です。「そう言えば、あの物件ね」といった地元ならではの物件情報や思わぬ情報があるかもしれません。一度足を運んでみるといいでしょう。

3、まとめ

今回は、「資産価値が高いのにリーズナブルな一戸建てを見極めるための全知識」についてお話ししました。せっかくの戸建て、購入するなら価値ある一軒を購入したいものですね。

「この家は、良いものだ」

そう胸を張って言えるよう、

この記事を参考に、あなたにとってのベストな物件を見つけてくださいね。

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