中古マンションは値引きすることができるのでしょうか。また値引きができるとすれば、どのような方法で行えば良いのでしょうか。 この記事では、中古マンションで値引きができるケース、できないケースの具体例、値引き交渉のタイミング、上手に値引き交渉を進めるためのポイントについて解説していきます。この記事を読めば、自信を持って中古マンションの値引き交渉を行うことができます。
中古マンションの値引きはできる?
中古マンションの値引きは可能ですが、全てのケースにおいて値引き交渉ができるわけではありません。ここでは具体的な事例をもとに、中古マンションの値引きを行うことができるケースとできないケースについて確認していきましょう。
値引きができるケース
中古マンションの購入において値引きができるケースは、周辺の相場より高額な物件である場合です。
中古マンションの販売価格は売主の希望であり、周辺の相場価格よりも高く設定されている場合があります。
例えば、売主に思い入れのある物件や、急いで売る必要のない物件などが、周辺の販売価格相場よりも高く売られているかもしれません。
このようなケースでは、不動産会社の交渉により、相場価格まで値下げしてもらえることがあります。
値引き交渉は、自分で直接売主とやり取りを行うよりも、不動産会社のような第三者に間に入ってもらったほうが、スムーズに話を進めやすいので覚えておきましょう。
・売主が早く売却したいと考えている物件
売主が早く売却したいと考えている物件も、売値引き交渉を行いやすい物件です。売り出してから時間が経過している物件などが狙い目です。経過している期間の目安としては、3カ月以上売りに出していれば長く販売しているとみなして良いでしょう。その他、任意売却により売り出している物件や、売主にとって不要な相続物件、住宅ローンの残債を抱えている売主が所有する物件などが挙げられます。住宅ローンの残債がある場合、売却が遅れると、その分、ローンの支払いが延びるため、売主はなるべく早く物件を売ってしまいたいという気持ちを持っています。
値引きが難しいケース
それでは、中古マンション物件の値引きが難しいケースとは、どのような状況なのでしょうか。これは売り出したばかりの物件が当てはまります。
すでにギリギリまで値下げをされている物件であれば、値引き交渉を行っても断られる可能性が高いでしょう。
中古マンションの値引き交渉を行うタイミング
ここまでは、値引き交渉が行いやすいケースと行いにくいケースについて確認してきました。ここからは、中古マンションの値引き交渉を行うタイミングについて具体的にお伝えしていきます。
販売開始後、一定期間が経過してから行う
中古マンションの販売が開始された後、一定期間が経過してから値引き交渉を行う方法は、値引きをする上でとても有効です。経過時間の目安としては、売り出してから3カ月以上経過しているほうが良いでしょう。なぜ3カ月かと言うと、専任媒介契約、専属媒介契約の最大の契約期間が3カ月だからです。一度目の専任媒介契約や専属専任媒介契約が終了するタイミングは、値引き交渉の良い機会になります。また、売り出しから3カ月以上経過していると、売主自身も現在の価格設定に対して疑念を持ち、値引きを検討している場合があります。
住宅ローンの事前審査を通過してから行う
住宅ローンの事前審査に通過していることを証明できると、値下げ交渉に応じてもらいやすくなる場合があります。交渉成立後に住宅ローンの審査が通らないおそれもあるため、売主の心理としては、住宅ローンの事前審査に通過している飼い主に対しては安心感があり、多少の値引きには応じようという気持ちになります。
中古マンションの値引き交渉を上手に進めるコツ
中古マンションを購入する際の値引きのタイミングについてここまで解説してきました。ここからは、売主との交渉方法や購入者としての態度、現金取引の効果など、中古マンションの値引き交渉を上手に進めるコツについて具体的に解説していきます。
売主の立場を考えて交渉する
これは中古マンションの値引き交渉に限らない話ですが、相手の立場に立って物事を考えることはとても大切です。何の根拠もない値引き価格や、とりあえず安く出してみようといった、軽はずみに値引き交渉を依頼するのは厳禁です。
売主の売却理由や経済状況、物件への思い入れも理解することが大切です。そのためには、値引き交渉に入る前に不動産会社を通じて、売主が中古マンションを売却することになった経緯や売主の経済状況、思い入れについて確認しましょう。
購入の意思を明確に伝える
中古マンションを購入する意思があることを明確に売主に伝えることが非常に重要です。売主に口頭でアピールすると、より誠意が伝わります。
購入の意思を売主に伝える方法としては、不動産会社を通して買付証明書(購入申込書)を提出するやり方が一般的です。買付証明書は売買契約書と異なり、法的な拘束力はありません。そのため買付証明書を出した後に購入を見送っても、法的なペナルティはありません。 しかしその間、売主は一旦中古マンションの販売を停止しているため機会損失が発生しています。さらに仲介に入った不動産会社からの信用は下がり、その後の中古マンション探しに積極的に活動してくれない可能性があります。このように、中古マンションの購入においては、購入を決めるまでにしっかりと情報収集を行い、購入を決めてからは明確に売主に購入希望を伝えて、買付証明書を出してからキャンセルなどすることのないようにしましょう。
現金で一括購入する
充分な現金を持っている人限定のやり方になりますが、現金で一括購入することは、売主にとってメリットが大きく、強力なアピールになりやすい方法です。売主は売却金額を迅速に回収できるほか、買主が住宅ローンの本審査に落ちて交渉が決裂するリスクを回避することができます。
中古マンションの値引きは相手の立場に立って進めることが重要
中古マンションを選ぶメリットは、新築に比べて販売価格が安価である点、すでに実物が建っているために入居後の生活がイメージしやすい点、同じマンションの別の部屋の販売価格や同じ地域の似たマンションの価格などから、マンションの価格相場をつかみやすい点など様々です。しかし、一番のメリットは販売価格の安さであり、さらに販売価格を下げる可能性のある値段交渉は、中古マンション購入の非常に重要なポイントといえます。
中古マンションの値引き交渉において最も重要なことは、売主の立場に立って、交渉を進めていくことです。そのためには売主が中古マンションを売却する理由をしっかりと確認しておきましょう。売主は売る期限を決めているのか、売れるのはいつでもいいと思っているのか、買い替えのために売り急いでいるのかなど、できる限り詳細に売主の情報を収集しましょう。その上で誠意を持って常識の範囲内で値引き交渉を進めてください。今回の記事内容が、中古マンションの値引き交渉の参考になれば幸いです。