注文住宅の相場はどのくらいなのでしょうか。マイホームを買いたいと思っている人にとって、注文住宅は自分の希望通りの家を建てられる、理想的な住宅といえます。
一方で、分譲住宅など決まった形の住宅に比べると建築費用が大きく跳ね上がるイメージがあります。この記事では、注文住宅の概要や、注文住宅にかかる主な費用の内訳、その費用を抑えるための方法について分かりやすくお伝えしていきます。
注文住宅の相場の基準
注文住宅と一口に言っても、フルオーダーやセミオーダーなど、さまざまなタイプがあります。ここからは注文住宅の概要と建設費の全国平均、注文の際に注意すべき点などについて解説していきます。
注文住宅とは
注文住宅とは、施主の希望を活かして建てられる家のことを指します。すでに建築済みの分譲住宅とは設計の自由度が異なり、施主の好みを反映しやすい点が特徴です。注文住宅にはさまざまなタイプがありますが、主にフルオーダー、セミオーダーの2種類に分けられます。
フルオーダーの注文住宅は、施工主の要望に応じて設計された自由度の高い住宅を指します。自分の理想通りの住宅が実現できる反面、建築費用が高くなってしまう点がデメリットです。
セミオーダーの住宅は、建築業者の規格の中で、施工主の要望を反映させていくスタイルの注文住宅です。セミオーダーの住宅は、分譲住宅などの企画住宅よりも自由度が高く、フルオーダーの住宅より価格を抑えることができるメリットがあります。
注文住宅の相場は条件によってさまざま
・地域によって変わる
注文住宅の相場は、条件によってさまざまです。以下のデータは、各地域における住宅面積平均と建設費の平均価格です。データは、住宅金融支援機構による2017年度フラット35 注文住宅融資利用者の主要指標から引用しています。
○全国平均
住宅面積平均が128.2平方メートルで建設費は3,353.5万円となります。
○首都圏
住宅面積平均は127.0平方メートルで、建設費3,627.0万円
○近畿圏
住宅面積平均は126.9平方メートルで、建設費3,408.1万円
○東海圏
住宅面積平均は130.1平方メートルで、建設費3,437.2万円
○その他地域
住宅面積平均は128.5平方メートルで建設費3,193.0万円
・こだわりによって変わる
注文住宅は、施工主の要望によって設備や規模が異なるため、どのくらいの金額が必要となるかはケースバイケースといえます。注文住宅の場合、間取り、外観、設備、デザインなど大半が家ごとに違います。キッチンや風呂をグレードアップするだけで数百万円以上高くなることもあります。
また、住宅を建てる土地の形や大きさ、エリアでも変わってきます。価格だけで判断するのは危険ですので、不動産会社や建築外車とよく相談することが重要です。
【引用】2017年度フラット35 注文住宅融資利用者の主要指標(住宅金融支援機構)
https://www.jhf.go.jp/files/400346708.pdf
注文住宅にかかる主な費用
ここまでは注文住宅の特徴と、全国の注文住宅の平均相場について解説してきました。ここからは、注文住宅にかかるさまざまな費用について、項目別に解説していきます。
土地購入費用
土地の購入費用は、注文住宅の予算の中で多くの割合を占めます。ただし、すでに所有している土地に注文住宅を建てる場合、土地購入費用は不要です。
住宅施工費用
住宅の施工費用は、基礎工事、内装、外装などが挙げられます。施工費用は、床面積や建物の構造によって大きく異なります。
別途工事費用
別途工事費用は、施工費用以外の、外構、駐車場や電気設備、上下水道といった費用が挙げられます。地盤が弱い、または整備されていない土地の改良費用なども別途工事費用に含まれます。
諸費用
工事費用以外の諸費用としては、不動産登記の際の登録免許税、不動産取得税、印紙代などがかかります。また、見落としがちな費用としては、引っ越し家具や家電の購入費用もあります。
注文住宅の予算を上手に抑えるには?
上述した通り、注文住宅にかかる主な諸費用について解説した通り、さまざまな費用がかかります。ここからは、注文住宅の予算を上手に抑えるためのさまざまな方法についてお伝えしていきます。
家の大きさや形を再考する
家の大きさや形を再検討することも重要です。大きな家はその分、材料費が増えます。複雑な形状の家は、当然ながら工事費が余計にかかります。家の予算と自分自身の要望のバランスをとることが必要です。
立地条件を見直す
注文住宅の費用を抑えるためには、都心部から少し離れたところや、駅から少し離れた場所を選ぶなど、立地条件を見直すことも大切です。
住宅部材や設備のグレードを抑える
風呂、キッチン、照明など予算を抑えられるところはないか検討することも、注文住宅の費用を抑えるための有効な手段です。予算の範囲内におさめるためには、住宅部材や設備のグレードを抑えることも必要です。
水まわりをなるべく集中させる
水まわりの設備をなるべく集中させることで、配管工事費が抑えられます。
門扉やフェンスを設置しない
門扉やフェンスを設置しないことで、建築費用を抑えられます。オープンな外観になるメリットもあります。プライバシーの面で気になるようなら、後からリフォームで追加することも可能です。
理想の注文住宅は費用を抑えて賢く建てよう
注文住宅を建てる上で難しい点は、自分の建てたい住宅を建てる際に、どのくらいの予算が必要になるのかの予測がつきにくい点です。
予算を抑える場合にまず検討すべきなのは、いかにセミオーダーで自分の希望する住宅を作るかという点です。セミオーダーによる既製の建材や設備を使うことができれば、予算を確実に圧縮することができます。
フルオーダーであれば記事内でも述べた通り、家のサイズや形、立地条件、住宅部材や設備のグレードの見直し、水回り設備の集中など、予算削減のためのさまざまな方法を活用しましょう。
住宅は建て始めた後に修正しようとすると大きな費用がかかります。建て始める前にどんな住宅にしたいのかをしっかりと検討して、予算と希望のバランスをとることが、注文住宅で失敗しないためのコツといえます。今回の記事が、これから注文住宅を建てる人のご参考になれば幸いです。