「住宅ローンは種類が多くてどれを選んだらいいかわからない」、「住宅ローンの金利は変動と固定で何が違うのか」など、住宅ローンの良し悪しがわからず悩んでいる人は大勢います。この記事では、住宅ローンを選ぶ際のチェックポイント、住宅ローンにかかる費用、住宅ローンのほうが金利の特徴などについてわかりやすく解説していきます。
住宅ローンを選ぶ際のチェックポイント
住宅ローンを選ぶ際には、多くの人がやってしまいがちな失敗や見落としがちなポイントが数多くあります。住宅ローンを選ぶ上でのチェックポイントについて確認していきましょう。
トータル金額を確認する
住宅ローンを選ぶ際は対金利の安さのみに注目しがちですが、トータルの金額を確認することが大切です。金利が安くても、その他の保証料や手数料といった費用が高額な場合があるためです。住宅ローンを選ぶ際は、必ず諸費用を含めたトータルの金額を確認しましょう。固定金利期間選択型の場合、固定期間終了後に金利が急騰するケースもあるため、将来的な予測も視野に入れて検討する必要があります。
店舗やATMが近い銀行を選ぶ
住宅ローンを選ぶ上での必須の条件ではありませんが、店舗やATMが近い銀行を選ぶと便利です。
住宅ローンの契約をすると、毎月の返済金の入金や手続きなど、店舗やATMに行く機会が増えるためです。また、近くに店舗があると、相談がある場合に気軽に相談できるメリットもあります。
慣れていない書類作成などをフォローしてもらえると安心なので、実店舗のある金融機関の住宅ローンを利用する場合は、契約の手続きや相談は窓口で行うほうが良いでしょう。
一つの金融機関に固執しない
住宅ローンを選ぶ上では、一つの金融機関に固執しないことも大切です。住宅ローンの審査が厳しい銀行も多くあり、特にネット銀行は金利が低い銀行が多い一方で、特に審査が厳しい傾向があります。厳密な審査基準は公開されていないことが多いので、どの金融機関でも100%審査が通るという確実性はありません。一つの銀行で審査を受けながら、ほかの金融機関も選択肢に含めておきましょう。複数の住宅ローンを申し込んだ場合でも売買契約を取り交わしていなければ、ローンの辞退は可能です。
住宅ローンの種類、借入先の分類
住宅ローンの種類には、大きく分けて公的ローン、民間ローンの2つがあります。さらに借入先によって利用条件や融資内容が異なります。ここからは住宅ローンの種類と借入先別の特徴についてひとつひとつ確認していきます。
まずは公的ローンの特徴について解説します。
公的ローンの大きな特徴としては2つ挙げられます。物件に所定の条件が設けられていること、そして、借りる人の条件は少なく、金利面も重くないことです。公的ローンには、住宅金融支援機構、財形住宅融資、自治体融資の3つがあります。
・住宅金融支援機構
住宅金融支援機構とは、住宅金融公庫の業務を継承した独立行政法人で、国土交通省住宅局と財務省の所管となります。民間金融機関と提携して、全期間固定金利の住宅ローン「フラット35」の定期を行っています。
・財形住宅融資
財形住宅融資とは、ローン返済の開始から終了までの全ての期間、5年ごとに適用金利を見直す5年間固定金利制タイプの住宅ローンです。財形貯蓄を1年以上続け、申込日前2年以内に財形貯蓄の預入れを行い、申込日における貯蓄残高が50万円以上ある等の要件を満たした場合に利用可能な持家(新築・中古)取得資金のための住宅ローンとなります。
・自治体融資
自治体融資とは、都道府県や市町村などの自治体が実施している融資制度のことです。自治体によって融資の内容や利用条件が異なります。自治体による住宅融資の方法はさまざまですが、住宅ローンの利息の一部を援助する「利子補給制度」や、特定金融機関と提携し、一般の住宅ローンより低い金利で融資をあっせんする「融資あっせん制度」などがあります。
民間住宅ローン
民間の住宅ローンとしては、銀行や信用金庫、住宅ローン専門会社、生命保険が扱っているがあります。民間の住宅ローンのポイントは、借りる人の返済能力の審査が厳しいことです。一方で、物件に対する条件は厳しくない点と、融資の限度額が高い点も特徴です。メガバンクからネット銀行まで数多くの金融機関が参入しているため競争が激しく、さまざまな金利キャンペーンを実施しています。
住宅ローンの金利タイプと特徴
住宅ローンの金利タイプには、変動金利型、固定金利型、変動金利型の3つのタイプがあります。金利と聞くと難しそうですが、内容はシンプルです。それぞれの住宅ローンの金利タイプの特徴について確認していきましょう。
変動金利型
変動金利型は、住宅ローンの金利が市場金利に応じて変動するタイプの金利です。変動金利型は、年に2回、金利が見直されることが一般的です。市場金利が下がれば、低金利で返済することができますが、逆に金利が上がる可能性もあります。契約時に今後の返済額が確定しないため、返済計画が立てにくいのがデメリットです。
固定期間選択型
固定期間選択型は、3年間や5年間など、一定期間の金利を固定する形の金利です。固定期間の終了時に、それ以降の金利を選ぶことができます。定期的に金利を見直すことができますが、固定金利期間中に市場金利が下がった場合は損をする可能性があります。
全期間固定型
全期間固定型は、市場金利の変動にかかわらず、最初に決めた金利を一律で支払うタイプの金利です。金利が一定のため、返済の計画が立てやすいのがメリットです。金利変動のリスクがない分、金利設定はほかの金利よりも少し高い傾向があります。
住宅ローンを組む際にかかる諸費用
住宅ローンを組む際にかかる諸費用には、ローン保証料、融資手数料、団体信用生命保険料、印紙代等があります。それぞれの費用項目についての特徴を確認していきましょう。
ローン保証料
ローン保証料は、ローンの返済が諸事情で滞ってしまった場合、保証会社に建て替えてもらう費用です。保証会社が代位弁済すると、銀行との契約は解消されます。代位弁済とは、保障会社に建て替えてもらうことです。代位弁済した後は規定の期間内に保証会社に返済が必要となります。
融資手数料(保証会社手数料)
融資手数料(保証会社手数料)は、住宅ローンを借りる銀行に対して払う費用です。融資額の2.16%(税抜き2%に消費税8%をかけた数字)とされている場合もあります。この場合、例えば融資額が4,000万円なら、融資手数料は86万4,000円になります。
団体信用生命保険
団体信用生命保険は、住宅ローンを借りる際に加入する保険です。住宅ローンの契約者が返済中に亡くなってしまった場合や、高度の障害となった場合に適用される、ローンを肩代わりしてもらえる住宅ローン専用の保険です。団体信用生命保険の保険料は利息でまかなわれるケースが多いです。
印紙代
印紙代は、契約書や書類の作成にかかる税金です。文書に記載されている金額に応じて収入印紙によって支払います。このため借入額によって収入印紙代が変わります。
住宅ローンを選ぶポイントを押さえて自分に合った住宅ローンを選ぼう
住宅ローンには、これを選べば間違いないという住宅ローン商品はありません。どの金融機関の住宅ローン商品を選ぶにしろ、金利タイプを選ぶ必要があります。金利変動のリスクを取って変動金利型でいくか、やや高めの金利の全期間固定方を選ぶ日は、どちらが正しいとは言えません。
大切なのは、各金融機関の住宅ローンの特徴を把握することです。インターネット上で各金融機関の説明を確認するのも重要ですが、電話をかけたり、店舗に赴いて対面で説明を受けたりしたほうがよくわかります。積極的に情報収集を行いましょう。その上で比較を行い、金利面、費用面、条件面で自分にとって最も使いやすく有利な住宅ローンを選びましょう。この記事が住宅ローンを選ぶ場面において参考になれば幸いです。