一戸建てのマイホームの購入を検討していて、どのくらいの資金が必要になるか分からず困っている人は数多くいます。この記事では、一戸建ての購入費用の平均額から、一戸建ての購入時にかかる費用と、一戸建てを実際に購入した後に継続的にかかる費用、一戸建て購入時に受けられる住宅ローン控除と給付金まで分かりやすくお伝えしていきます。
一戸建ての購入費用の平均額は?
一戸建てのマイホームの購入を検討するにあたって、気になるのはやはり購入費用ではないでしょうか。ここからは一戸建ての購入にかかる費用の平均額について分かりやすく解説していきます。
※下記に記載しているデータは、下記の調査を参考にしています。「2017年度 フラット35利用者調査」(住宅金融支援機構)
土地をすでに取得している場合
土地をすでに取得している場合の、一戸建ての工事費用はどのくらいかかるのでしょうか。2017年度の全国平均は3,300万円台で、これは本体工事の費用と付帯工事の費用を合計した工事費用の平均額です。住宅を建てる際の工事は、本体工事と付帯工事の2つの種類の工事があります。本体工事とは、基礎工事や構造など建築物本体の工事のことです。付帯工事とは、建物本体以外の部分、造園や配管、地盤整備など外構の工事のことです。一口に一戸建てと言っても、二階建て、三階建て、規模や設備など様々な面で異なります。全国平均の3,300万円という金額はあくまで目安として捉えましょう。
土地と家を同時購入する場合
一戸建てとして土地と家を同時購入する場合の購入費用はどのくらいでしょうか。土地をすでに取得している場合と比べると、土地と住宅を同時購入する土地付き一戸建ての場合は、地域差が顕著に表れます。土地の価格が高い東京都心の平均は5,500万円台、比較的土地の値段が安い地方では3,000万円台が平均購入費用となります。一戸建ての購入を考えている人で、特に都心に住む必要がなく、通勤手段にも問題がない場合は、土地の価格が低い地方が狙い目です。
※クライアント様へ
上記2つの見出しに記載しているデータは、下記の調査を参考にしております。掲載の際は、調査元への許可申請などが必要になると存じますが、ご対応を検討いただけますと幸いです。
「2017年度 フラット35利用者調査」(住宅金融支援機構)
https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_flat35.html
一戸建ての購入時に支払う諸費用とは?
一戸建ての購入時に支払う諸費用には、どのようなものがあるのでしょうか。土地購入費用、建築費用、仲介手数料や税金、住宅ローン関係の費用といった諸手続きにかかる費用など、各費用の特徴についてお伝えしていきます。
土地購入費用
すでに土地を取得している場合は不要ですが、土地を持っていない場合は土地購入費用が必要です。地盤が弱い土地や整備されていない土地の場合、別途土地改良費用がかかる可能性があります。また、人口が集中している都市部は高額になる傾向があります。
建築費用
一戸建ての建築費用としては、基礎工事、外装工事、内装仕上げ、設備工事などの工事費用がかかります。大手ハウスメーカーは大量生産によってコストカットができるため、費用が抑えられる傾向があります。ただし、あくまで傾向であるため、実際に発注する際は複数の工務店に対して相見積もりを取り、実際の見積もり費用を比較して判断しましょう。
諸手続きにかかる費用
諸手続きにかかる費用には、手付金、仲介手数料、不動産取得税、登記費用、印紙税、住宅ローン諸経費など様々なものがあります。それぞれの費用項目について確認していきましょう。
手付金
手付金は売買契約の際に支払うお金で、買主が途中で契約を解除したい場合、手付金を放棄して契約を解除できます。逆に売主が契約を解除したい場合は手付金の2倍の金額を払って契約を解除できます。契約の解約に大きく関わっているため、解約手付(かいやくてつけ)とも言われています。手付金は中古物件、新築物件ともに支払う必要があります。手付金の金額の目安は物件価格の5~10%程度です。正しい手付金には法律上の明確な決まりがないので、売主と買主の同意によってより安い金額に設定することもできます。
仲介手数料
仲介手数料とは、不動産会社の仲介によって売買契約が成立した場合に発生する費用です。宅地建物取引業法により、仲介手数料の上限は(物件価格)×3%+6万円と設定されています。この計算式は400万円を超える物件について適用されます。
不動産取得税
不動産取得税とは、建物と土地を購入した場合に発生する税金です。新築住宅の場合は1,200万円までは控除され、認定長期優良住宅の場合は1,300万円まで控除されます。不動産取得税は支払いのタイミングが物件引き渡し後の半年〜1年後となるケースが多いため、忘れないように資金を準備しておく必要があります。
登記費用
登記費用は、土地や建物の所有権、抵当権の登記の際に土地家屋調査士や司法書士に支払う費用です。登録免許税に応じた金額を支払う必要があります。
印紙税
印紙税は、契約書を作成した場合に課税される国税です。売買契約書、住宅ローンの借り入れ時の書類などの契約書に印紙を貼り、消印で支払いを行います。文書に記載された契約金額に応じて必要となる税額を支払う必要があります。
住宅ローン諸費用
住宅ローンにかかる主な諸費用は、住宅ローン契約時の事務手数料、保険料などがあります。金融機関によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
一戸建てを購入後に必要な費用
一戸建てを購入する際に必要となる各種費用について解説してきました。ここからは、一戸建てを購入した後に継続的に支払いが必要となる固定資産税や住民税といった費用についてお伝えしていきます。
固定資産税
固定資産税は、土地や家屋、減価償却に課せられる税金です。課税台帳に登録されている人が納税義務を負います。
固定資産税の計算方法は、固定資産税評価額(課税標準額)×1.4%(標準税率)となります。
住民税
住民税は、対象の年の1月1日時点で居住している市区町村で課税される税金です。納税する税額は、所得割と均等割を合算した額となります。
所得割とは、前年1月~12月までの所得に応じて計算される税で、均等割は、一律の金額で課される税です。2014年からは、その金額に東日本大震災の復興特別税が追加されています。
リフォーム、メンテナンス費用
家を維持していくには、屋根や外壁、床などのリフォーム、メンテナンスが必要となり、そのための費用がかかります。家の経年劣化が進むと、適度な修繕が必要になります。劣化が進んでからメンテナンスをすると多額な費用がかかります。
一戸建ての場合は、10~15年ほどで屋根や壁のメンテナンスが必要になることが多いです。
一戸建て購入時に受けられる住宅ローン控除と給付金
一戸建てを購入する際には住宅ローン控除と給付金を受けられます。住宅ローン控除によってどのような優遇措置が受けられるか、給付金にはどのようなものがあるかについて一つ一つ解説していきます。
住宅ローン控除
住宅ローン控除とは、住宅ローンを借りている場合に適用される優遇措置です。住宅ローン控除が適用されると、各年末のローン残高1%が10年にわたり所得税から控除されます。新築住宅、中古住宅のどちらの場合にも適用されます。また、工事費が100万円を超える増改築や、省エネ、バリアフリーなどの改修にも適用されます。
すまい給付金
すまい給付金とは、一定以下の収入の人が住宅ローンを借りて消費税8%の家を購入する際に適用される制度です。収入に応じて最高で30万円が給付されます。
一戸建てを購入する際は購入後の費用も計算しよう
一戸建ての購入時と購入後に支払いが必要となる各種費用について確認してきました。仲介手数料や印紙代など、実際の購入金額が定まらないと計算できない費用も多いので、目当ての物件があればその金額で、これから探す場合は自分の収入からおよその目標額で、住宅ローンのシミュレーションをしてみましょう。
一戸建てを購入する場合に重要な点は、購入費用や購入時にかかる費用だけではなく、購入後の固定資産税やメンテナンス費用と、住宅ローン返済費用とのバランスです。住宅を購入する際は購入後の費用を忘れがちです。一戸建ての購入にあたっては、購入後の費用までを計算に入れた資金計画を立てておきましょう。この記事が一戸建て購入のご参考になれば幸いです。