日頃から「そろそろ家を買う時期か」と思いながらも、今がそのタイミングなのか判断がつかず、悶々としている人も多いと思います。マイホームは一生で一番高い買い物ですので、迷ってしまうのも無理はありません。家を買うベストタイミングとはいつなのでしょうか。この記事では、プライベートや社会情勢といった一般的な家を買うタイミングについて解説した上で、家を購入する時期の見極め方について具体的にお伝えしていきます。家を買ってから後悔しないために、正確な知識を身につけて準備を整えましょう。
家の購入を検討しやすいタイミング
世の中の人々は、どんな時に家の購入を検討しているのでしょうか。仕事やプライベートなど、一般的に家の購入を決意するタイミングについてご紹介します。
仕事が安定していて将来的にも継続的な収入が見込まれる際に、家の購入を検討する人が多いようです。また住宅の購入は家族が行うものとは限りません。近年は、家庭のある人だけでなく独身女性の住宅購入も増えています。「資産として残したい」「将来の投資用のため」という理由で、購入を検討するケースが多く見られます。賃貸物件で家賃を払い続けても特にメリットはありません。様々なリスクは伴いますが、住宅ローンの完済後は自己の資産となる持ち家を購入することは、経済的に賢い選択肢といえるでしょう。
家庭を持ったタイミングでマイホームについて考える人は多いです。ただし結婚してまだ日が浅い時期は、2人での生活に必要な費用がまだわからないことが多いです。結婚後に生活費がどのぐらいかかるのかを明確に把握してから購入を検討するケースが多いといえます。夫婦2人の時期は、子どもがいない分、マイホームの購入についてじっくりと考える余裕があります。お金の問題はつい後回しにしがちですが、将来的に家を購入する意思がある場合は貯蓄を意識する、購入のための資金計画を立てておくなど、早い段階から準備を始めるとのちのち楽になるでしょう。また様々な物件を内覧して経験を積んでおくことで、物件の良し悪しを判断する目も養われます。
子どもが生まれた時
子育てのしやすさから、転居を考える人が増える(地域の子育て支援や保育所などを考慮している)
そのため、転居のタイミングで「家の購入」という選択肢が出てくる
子どもが生まれた時に、家を買うことを検討し始めた人もたくさんいます。現在は共働きの家庭が一般的であることもあり、地域の子育て支援や保育所などを考慮して、子育てのしやすさから転居を考える人が増えています。その際にせっかく引っ越すならこの機会に、ということで「家の購入」という選択肢が出てきます。自然が多い場所や習い事の教室が充実している場所など、どんな環境で子育てをしたいか、普段から夫婦間で相談して共通認識を持てるように心がけておきましょう。
社会的に家の購入に最適といわれる時期
個人的なタイミングとしては仕事や家庭の事情事情に合わせて家の購入を検討するというケースが一般的でした。それでは社会的に家の購入に最適といわれる時期はいつでしょうか。
社会的に家の購入に最適な時期は、経済状況や国の制度が変わるタイミングといえるでしょう。具体的には、消費税の増税などの増税前、オリンピックなどの大規模なイベントの前後、低金利で有利な条件で住宅ローン融資が受けられる時などが挙げられます。テレビや雑誌では「今がマイホームの買い時!」などといった大胆で魅力的な予測が出されることがあります。外部の情報を鵜呑みにするのではなく、あくまで検討材料として冷静に判断するようにしましょう。
住宅購入で絶対に損をしないという時期はない
家の購入を考える際に大切なのは、住宅購入において、絶対に損をしないという時期はないということです。低金利の時は物件価格が上昇します。逆に物件価格が下落している時は金利が高くなります。相場は世界経済によっても変動するため、絶対に損をしないという保証はありません。家の購入は、どんな社会情勢の中でも、ある程度のリスクがつきものであるということに留意しておきましょう。
人生の中で家の購入にベストな時期の決め方
家を購入する上で絶対に損をしないタイミングはありませんが、できれば最適な時期にマイホームを取得したいものです。年収や年齢など人生の中で家の購入にベストな時期の決め方についてお伝えします。
年収を基に決める
マイホームを買う際の1つの目安として年収を基にして決めるやり方があります。一般的に物件の購入価格は年収の6倍程度が良いといわれています。例えば、年収400万円の人であれば、6倍の2,400万円までの住宅が無理のない範囲となります。もちろん絶対的な決まりではありませんが、1つの基準として活用するのも良いでしょう。金融機関にもよりますが、住宅ローンには様々なプランが用意されています。共働き夫婦の場合は、住宅ローンの控除を2人分受けられるローンなどもあります。借り入れの際は様々な方法について金融機関の担当者に確認しておきましょう。
年齢から逆算して決める
人生でマイホームを買う時期の決め方としてよく使われるものが、年齢から逆算して決めるというやり方です。定年を迎えるまでに住宅ローンを払い終えることを前提に逆算して考えていきます。歳をとって収入が減ったりと、定年退職した後の住宅ローンの返済は難しくなるためです。逆算の例として60歳で住宅ローンを完済するには、30歳で30年ローンを組む、もしくは35歳で25年ローンを組むといった形になります。それ以上の年齢で家を購入する場合、自己資金で頭金を多めに支払ったり、ボーナスで繰り上げ返済したりする方法もあります。もうこんな歳だから無理だろうと決め込むのではなく、各種金融機関の資料を取り寄せたり担当者に相談したりするなどして、積極的に情報を集めていきましょう。
自分にとってのベストタイミングとは?
結論から言えば自分にとってのベストタイミングは、自分や家族が必要と思った時期とシンプルに考えておいて良いでしょう。家族間でよく相談し、社会的に最適な時期はあくまでも目安であることを念頭に置いて、自分にとっての最適な時期を見極めることが大切です。
大切なのはベストタイミングがくるまでにしっかりとした準備をしておくことです。将来的に家の購入を考えている人は常に準備をしておきましょう。家の購入には何よりも資金が必要です。理想の家を購入できるように資金計画を事前に立てておくことが、後悔しないマイホーム購入につながります。
家の購入は時期を見極める力と計画性が大切
「同世代の人が購入しているから」、「金利が良いらしいから」といったあいまいな理由でマイホームを購入するのは失敗の原因になります。周りの情報に流されるのではなく、今が購入のタイミングか、そうではないのか、自分自身としっかりと向き合って答えを見つけましょう。
年収や年齢、子どもや社会情勢はマイホームを購入する上で考慮するべき重要な要因です。しかし最終的には自分や自分の家族にとっても最適な時期で決断する必要があります。マイホームは自分だけの問題ではないので、購入の時期は一緒に住む家族と相談する時間を作りましょう。購入の時期だけでなく床暖房やウォシュレットなど、どのような設備が必要なのか、駅からの距離や生活用品が買える場所など、どんな立地条件が望ましいのかなど様々な面について意見交換をしましょう。きっと自分だけでは気づけなかった新しい発見があるはずです。マイホームの購入は、外からのタイミングを待つのではなく、普段から資金を蓄えて入念な計画を立てて万全の準備を整える主体的な動きが大切です。