木造建築とは?一生住みたい家を建てるために知っておきたいことまとめ

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日本では、古い時代からさまざまな建物に「木」を材料とする木造建築が採用されていました。近年では、時代の流れとともに海外流の建築工法が取り入れられたりしているものの、日本の戸建住宅ではいまだ「木造建築」が採用されることが多いです。

ひとことで「木造建築」といいますが、その工法や特徴についてはそれぞれ異なります。

そこで、日本の戸建住宅で採用されることが多い「木造建築」について、さまざまな工法のメリット・デメリットも総合的に説明していきます。

1、日本では昔からの伝統!木材で建てられる「木造建築」とは?

日本では昔から馴染みのある木造住宅。そもそも木造建築とは「木造」や「木造住宅」とも言われていて、建築現場では主流の建築の方法です。木造建築では、基本的な主な材料が「木材」を使用する建築法です。

日本の風土や気候にもぴったりマッチする建築法で、実際に多くの人がこの「木造」の住宅を選んでいます。いったいどんな点が好まれるポイントなのでしょうか。

(1)ポイント1:湿度を調整してくれる「木」

「木」は、空気中の湿度を調整してくれる機能があります。空気中に水分が多く湿度が高くなれば、木は湿度を吸い込む「吸湿」の作用を発揮してくれます。

逆に、部屋の空気の水分が減り、湿度が低いといわゆる「乾燥している」状態になりますよね。そんなときには、木に含まれている水分を放出する「放湿」の働きをします。このように、木は空気中の湿度をコントロールし、快適な空間に導いてくれるのです。

(2)ポイント2:耐火性もある

「木」というと「燃えやすい」と思っている人は多いですよね。「木」そのものは、耐火性が弱く、火事には弱いイメージがあるものです。

確かに、薄い木材は燃える時間が早く、耐火性は弱いです。しかし、木造建築の建物の軸となるような太めの木材は、燃えるまでかなりの時間がかかります。なぜなら表面は焦げるのですが、その焦げた表面からさらに内部に熱が到達しにくい性質を持っているからなのです。

また、鉄は熱が伝わると強度が低くなっていくのに対し、「木」は長く強度を保っていられます。火事になっても、構造が崩れずに建物が崩壊しにくい特徴があります。

(3)ポイント3:優しいぬくもりが感じられる

木造住宅のなかでは、さまざまな木材が使われますが、木目の温かさに癒しを感じる人も多いです。森林浴という言葉もあるように、「木」には天然素材が持つ不思議な効果があります。良く知られるのが「フィトンチッド」という天然成分です。木に含まれているこの成分には、防虫効果や精神を安定させるリラックス効果もあります。

家の中では誰もがリラックスしてゆったりと過ごしたいので、この効果は多くの人に好まれます。また、「木」が発する自然の香りは、誰もが心地よいと感じ、消臭効果も高いのが魅力です。

さらに、木には視覚的にも優しい魅力があります。木目の柄が家の中にあることで、温もりに包まれているような安心感を抱くという方が多いでしょう。

優しい香りと温かな色に囲まれた穏やかな生活もできます。

(4)ポイント4:コスト的にもメリットがある

近頃では、鉄骨造で戸建住宅を建築する方も増えてきました。ただ、鉄を材料にするとコストはどうしても高くなってしまいます。同じ面積で住宅を作る場合でも、木造住宅ではコストが安く済むメリットがあります。

住宅への間取りやデザインのこだわりだけでなく、「コスト」を重視する方もまだ多いでしょう。そのため、やはり予算的にもリーズナブルでマイホームが購入できる木造建築を採用しているハウスメーカーも多いです。

(5)ポイント5:断熱性がある

木は、熱を伝えにくい性質を持っています。そのため、外からの温度を室内に伝えにくい傾向にあります。

夏なら室内を涼しく保てますし、冬には部屋の暖かさを逃がさず快適な温度をキープできます。日本には四季があり、年間を通して気温の変動があります。家の外の暑さや寒さを部屋に伝えにくいのは、快適に過ごせることに繋がるのです。

2、木造建築の主な工法について

木造建築は、大きく分けて次の二通りの工法があります。

(1)木造軸組工法(在来工法)

日本で伝統的とされている建築方法が「木造軸組工法」です。在来工法と呼ばれることも多いです。

今現在でも、木造枠組工法は多くの建築現場で採用されています。基礎部分、そして土台を作ってから、木材で住宅を支える「柱」を建てていきます。柱と梁を組立てることによって、住宅の骨組みができてきます。そして補強のために、「筋かい」を入れていきます。

筋かいは、外から力が加わった時に建物の強度を強めるためのものです。特に、地震などの外力への抵抗力となります。

このように、柱と梁を軸で組むことから、木造軸組工法と呼ばれているのです。

①木造軸組工法のメリット

在来工法と呼ばれるだけあって、古い歴史がある工法です。

【1】多くの建築会社で対応が可能

歴史深い工法なので、建築するためのノウハウが大工さんから大工さんへと引き継がれています。今でも、多くの建築現場で建てられている方法のため、どこの建築会社に依頼しても的確に対応してもらえます。また、木造軸組工法は日本の風土にも合った工法です。

【2】デザインや間取りにこだわることができる

外壁や屋根の形などの外観、家の中の間取りやデザインなど室内のどちらも比較的自由な発想で設計することが可能です。部屋の窓の設置の自由度も高いので、デザイン性に富んだ住宅にこだわりたい人にもおすすめです。

【3】将来的なリフォームにも対応しやすい

さらに将来的にもリフォームしやすいのがメリットです。リフォームする箇所にもよりますが、「間取りが使いづらくなってきた」「増築したい」などの要望も叶えやすい工法です。

【4】コストが抑えられる

建築工法のなかでもコストが抑えられることが多いので、予算に合わせて理想の家づくりもできるでしょう。

②木造軸組工法のデメリット

一方、デメリットについて見てみましょう。

【1】大工さんの技術力で仕上がりが左右される

古くからの工法とはいえ、実際に建築するのは大工さん。その腕については、一人一人差があることも多いでしょう。依頼する工務店や大工さんの腕によっては、家の精度が低くなることも…。もし、施工状態が芳しくなかったら、将来的に不具合箇所となり不満が後から出てくる可能性もゼロではありません。

【2】施工期間が長くなる

また、こだわりのデザインでの間取りを設計することもできるものの、施工期間はかなり長めです。ゆとりを持ったスケジュールで建築できるように、この工法で建築する場合にゆとりを持って早めに依頼するなどの行動力が必要となります。

(2)ツーバイフォー工法(木造枠組壁式工法)

ツーバイフォー工法は、アメリカやカナダから導入され、世界各国に広まっている工法です。「ツーバイフォー」とは、「2×4」とも書きます。これは、使用する角材のサイズが

一般的に「2インチ×4インチ」を使うからなのです。

1インチは約2.54㎝なので、2インチ×4インチの角材はどのくらいでしょうか。

2インチ=2.54㎝×2=5.08㎝

4インチ=2.54㎝×4=10.16㎝

という計算になります。

ツーバイフォーではこのサイズの角材と規格の合板を組み合わせ、床や壁、天井という面が出来上がっていきます。在来工法が「柱」で住宅を支えるのに対し、ツーバイフォー工法では主な部材の「合板」で支えます。

③ツーバイフォー工法のメリット

ツーバイフォー工法のメリットはいくつかあります。

【1】工事期間があまりかからない

まず、在来工法と比較すると工期が短くて済むことです。イメージとしては、すでにカットされている規格の材料を「組立てていく」という感じです。そのため、マニュアル通りに施工していくだけで建築されていくので、完成までの期間が短いのが特徴です。

【2】施工者の技術力に左右されない

また、在来工法で懸念される「大工さんの技術力」ですが、ツーバイフォー工法では大工さんによる技術の差があまり出ません。高い技術力を要求しなくても、仕上がりには満足できるメリットがあります。

【3】耐震性に優れている

ツーバイフォー工法は、「面」で建物をささえているため、外界からの刺激には強いです。壁や天井、床という「面」全体で建物を支えます。そのため、地震の揺れも面に分散するので耐震性に優れています。

日本では地震が多いので、耐震性に優れているのは多くの人に注目されるメリットでしょう。

【4】防火性に優れている

また、気密性が高いので耐火性、断熱性が高い住宅となります。暑い時期の暖房、寒い時期の冷房、どちらも効率が高まり、省エネ効果が期待できます。

④ツーバイフォー工法のデメリット

一方、デメリットを見てみましょう。

【1】建築会社によっては施工ができないこともある

日本ではまだまだ在来工法の方が主流のため、施工を得意としている建築会社が限られてくるでしょう。比較的大きな住宅メーカーなどに依頼することになります。身近な工務店などに依頼しようとしても、施工できないことは多いでしょう。

【2】将来的にリフォームが制限されることもある

また、在来工法と比べると間取りや設計の自由度が低めです。壁という「面」が支えになっているので、壁の撤去などが難しくなります。そのため、将来大がかりなリフォームをしようとしてもできないことも事前に知っておく必要があるでしょう。

さらに、面で支えているので「大きな窓」「大きなドア」などが設置しにくいのもデメリットの一つです。間取りやリフォームには、制限がかかることも多い工法です。

3、まとめ

いかがでしたか?

ひとくちに木造建築と言っても、工法もさまざまなものがあります。また、その工法ひとつひとつを取ってみても、メリットおよびデメリットが異なります。

ただ、日本では古くから「木造」の建物に慣れ親しんできました。「木」が持つ温かみや優しさは、懐かしく安心するものがあり、多くの人から支持されています。

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