費用はいくら?二世帯住宅の価格とは

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家族が増え、収入も安定してくると、「家を買おう」という決断をされる方の中で二世帯住宅を検討される方も少なくないでしょう。そこでやはり気になるのが、二世帯住宅を購入・あるいは改装する場合の価格になりますよね。今回はそのことについてお話します。

1、なぜ二世帯住宅? メリットは?

親世帯と同居、となるとついつい義両親とうまくやっていけるのか、生活スタイルが違うから気を遣ってストレスが溜まるなどマイナスなことを想像してしまいがちです。 しかし、多くのメリットも、二世帯住宅には存在します。どのような長所があるのかみていきましょう。

(1)日常生活でのメリット

①育児に協力してもらえる

現在、若い世代の家庭は共働きがほとんどの家庭がほとんどです。フルタイムで仕事をしながら子どもを育てるというのはとてもたいへんですが、同じ家に親世帯がいれば、子育ての強い味方になってくれます。保育園の送り迎えに間に合わない時や急な発熱で看病しなければならない時など、頼っていい誰かが同じ家にいるということはとても安心できますよね。

親世帯も孫の成長が間近に感じられるメリットがあり、小さいころからお年寄りに接することで子どもは優しい性格になるとも言われています。育児に関しては子世代親世代双方にメリットがあります。

②家事に協力してもらえる

忙しくなると、どうしても家事が思ったようにできなくなりますが、これも二世帯が同居していたら助け合って行うことができます。

娘夫婦の同居ならば、嫁姑問題もなく気兼ねなく家事や育児を助けてもらえますし、お互いの相談相手にもなります。また、息子夫婦の同居でも協力しつつも、それぞれの生活スペースがあるので、距離をとることもできます。

二世帯住宅ならではの、洗濯物など干渉されたくないものは、自分たちの生活スペースで行うことができるというメリットもあります。

③介護や生活のサポートができる

二世帯住宅の購入や同居する理由はさまざまありますが、多く挙げられている理由は「親の高齢化」です。

今はまだ元気だから大丈夫、と思っていてもいつ介護が必要になるかわかりませんよね。介護だけではなく、高齢者の一人暮らしは体の具合が悪くなって誰にもわからずそのままお亡くなりになる、孤独死に陥る最悪のパターンもあります。

身近にいて様子を見ることができたり、体力が衰えて出来ていた家事が難しくなった時など生活のサポートができます。しかし、同居しながらの介護は負担が大きく、施設に預けることが難しい場合訪問介護を利用します。実は二世帯住宅は訪問介護を利用しやすい環境です。

その理由は子世帯が訪問介護を受けながらも、生活ペースを崩さなくていいこと、介護をするヘルパーさんも同居家族に気兼ねせずに水周りなどを使えることです。

そして親世帯も自立した生活を望む方が多くいます。ある程度介護する側もされる側のプライバシーが確保されるので、互いの負担が軽減することができるメリットがあります。

④何かあった時に協力し合える

子どもや自分が病気や怪我をした時など緊急事態時に頼りたい人たちがそばにいるのは心強いですし、精神面でも安心できます。親世帯も高齢者を狙った犯罪に巻き込まれそうになった時に子世帯が近くにいたら、家族で未然に防ぐこともできます。

緊急事態以外にも、旅行へ行く時などどちらかの世帯が家にいることで、留守中の家事のことなど協力してもらえます。

他にも日常でパソコンの操作がわからない時や家電が壊れてしまった時、うっかり洗濯物を干して出かけてしまい、雨が降ってきた時など大事でなくとも協力しあえるメリットがあります。

(2)経済面でのメリット

①土地の購入代を節約できる

二世帯住宅を購入するにあたり、建築費の他に土地の購入も考えなければなりません。

親世帯が土地を持っている場合、その土地を活用すればいいので購入費を建築費に回すこともできます。土地を持っていなくても、両世帯で出しあうこともできます。

また、どちらかの世帯の収入がローンを借りる基準に達していなくても、二世帯なら基準に届きローンを組むこともできます。

②光熱費の削減

二世帯住宅にすると、キッチンや浴室など共有している場所があればその分、光熱費は節約できます。

単世帯住宅と二世帯住宅(独立・共用・融合それぞれ)について合計6人世帯のエネルギー消費量の違いを測定すると、単世帯⇒独立⇒共用⇒融合と消費量が減る事が解りました。

単世帯住宅から二世帯住宅(独立)の変化は、太陽光発電で言えば4.3kW分に相当します。(年間光熱費の差は8.2万円) 要因は、「床面積が減ることにより家電・冷暖房機・照明が減る」「単世帯2棟に比べて二世帯1棟の方が壁面積が減る」「親子両世帯で一緒に過ごす生活シーンがあること」があげられます。

引用元:くらしノベーション研究所

③税制面での優遇

二世帯住宅は構造や機能上2つの住宅と認められる場合、優遇措置が受けられることもあります。

2つの住宅と認められるには条件があり、まず各世帯が壁やドア等で遮断されていること、専用の玄関や風呂などを備えていることで、構造上でも利用上でも独立していることが重要です。

次にどのような優遇措置が受けられるのかをご紹介します。

・不動産取得税の軽減

不動産所得税は不動産の価格(固定資産評価額)に3%の税率に乗じて計算されます。新築住宅の場合は不動産価格から1200万円の控除した上で税率を乗じることになりますが二世帯住宅の場合は、1200万円の控除が2戸分受けられます。

・土地と建物の固定資産税の軽減

固定資産税は土地と建物の2つありますが、それぞれ軽減されます。

土地の固定資産税は、土地の評価額に税率を乗じて計算されます。

200㎡までの部分は小規模住宅用地として扱われ、土地にかかる固定資産税の課税標準額は「評価額×1/6」まで軽減されます。200㎡を超えると一般住宅用地となり「評価額×1/3」になります。

二世帯の場合は2戸分の軽減になるので、200㎡×2の400㎡まで拡大されるので、より軽減されます。 建物の固定資産税は、新築住宅の場合は最初の3年間に固定資産税が1/2となりますが床面積の120㎡までが限度になります。

二世帯住宅の場合2戸分が適用される同じく3年間は、より多くの減額措置を受けることができます。

2、二世帯住宅の相場

二世帯住宅を建てるとなると、気になるところはやはり費用ですよね。二世帯住宅は新しく建てる方法以外に、元々ある家をリフォームして二世帯住宅したり、中古の二世帯住宅を購入するという方法があります。

そして二世帯住宅には大きく三種類分けられます。玄関やトイレ、キッチンなどが二つあり各世帯が独立して生活ができる完全分離型二世帯宅、キッチンなど一部を共有する一部分離型二世帯住宅、一世帯用の家に各世帯が生活する完全同居型二世帯住宅があります。

どの種類の二世帯住宅にするかによって新築するかリフォームして二世帯住宅にするか、予算を決めて購入できます。では、それぞれどれくらい費用が必要か、実際の事例を見て行きましょう。

(1)新築する場合

新築する場合、一番費用がかからないのは完全同居型です。

一世帯の家と建築費はほとんどかわりません。逆に一番費用がかかるのは完全分離型になります。キッチンや浴室を一つの建物の中に二つ作るのでどうしても割高になってしまいます。

費用の目安としては、一世帯の家の建築費の1.5倍~1.8倍になります。

具体的にどれくらいがかかるのか、例をあげてみます。

まず建築費は坪単価(家を建てる時に1坪あたりにかかる費用)×建てたい家の面積で計算できます。そして坪単価は平均的に50万円とされています。

一般的な4人~5人の住む一軒屋に必要な面積は30坪~40坪とされますので、

30坪×50万円=1500万円

40坪×50万円=2000万円

となります。同居型も同じぐらいの費用がかかります。

この費用を元に完全分離型二世帯住宅の建築費は、

30坪の場合 1500万円×1.5=2250万円
1500万円×1.8=2700万円
40坪の場合 2000万円×1.5=3000万円
2000万円×1.8=3600万円

となり、おおよそ2250万円~3600万円ほどになります。一部分離型の場合は、設備などによって価格が異なりますが、設備が増えればそれだけ割高になってしまいます。

①戸建てをリフォームして二世帯にする場合の費用

では、今ある家を二世帯住宅にした場合はどうなるのでしょう?

今ある家をリフォームし、二世帯住宅にしている方は多いです。持っている家を使えば費用が抑えられまし、新たに土地を購入する必要もありません。その分家屋に費用をかけられるので、人気があるのです。同居型や一部分離型のリフォームは、必要に応じキッチンやトイレ、浴室、寝室などを新たに設置します。

一方、完全分離型ではこれらの部屋をすべて世帯別に用意することになります。そのため、住居をまるまる建て替えるか、全てリフォームするかのどちらかになるのが一般的です。しかし、一つの住居に二世帯分の設備機器(キッチンや浴室など)が必要になりますので、まるごとリフォームする場合は、通常のリフォームと比べて1.5倍程度の費用がかかります。

また、建物の大きさや使用する設備機器だけでなく、外壁や屋根など細部へもこだわると、金額はまったく異なってきます。

実際のリフォーム例を紹介します。

もともとある2階をリフォーム

両親が2階部分を使っていない場合は、2階部分のみをリフォームして二世帯利用することで費用を抑えることができます。キッチンや浴室を共有する場合は、これを機に二世帯で使えるよう併せてリフォームすることをおすすめします。また、希望があれば、階段を設置して2階部分に独立した玄関を新たに設けることも可能です。

(例)完全分離型へのリフォーム(キッチン、浴室・バス、リビング、玄関、バルコニー・ベランダ)

費用:1000万円~

もともとある離れをリフォーム

敷地内に使用していない離れがある場合は、完全分離型の二世帯住宅へリフォームが可能です。離れの場合、キッチンや水まわりがそのまま使用できれば、その分コストが削減できます。リフォームを検討する際には、親世代、子世代どちらが住むのかによって間取りが変わります。

(例)倉庫として使用していた部分を、住居スペースへリフォーム(キッチン、トイレ、外壁、バルコニー・ベランダ、収納)

費用:1100万円〜

引用元:リフォーム会社紹介サイトホームプロ

(2)中古物件の場合

中古の二世帯住宅の利点は、実際に建物を見て判断できるところです。費用も少なく、引っ越しまでの時間も新築に比べて早いです。

現在どのような物件が販売されているのかを紹介しますので、価格の参考にしてみてください。

①例1:完全分離型二世帯住宅

 

  • 築年数 10年(平成18年築)
  • 土地面積100.76m2(登記)
  • 間取り3LLDDKK+S(納戸)
  • 建物面積109.06m2(登記)
  • 住所 神奈川県 価格3680万円

参考サイト:スーモ

②例2:一部共有型二世帯住宅(玄関・キッチン別、浴室共有)

  • 築年数 22年 (1996年築)
  • 建物面積120.89m²
  • 土地面積112.4m² (公簿)
  • 間取り 4LDK
  • 住所 神奈川県
  • 価格 1,080万円

参考サイト:HOME‘S

③例3:一部共有型二世帯住宅(浴室・キッチン別、玄関共有)

  • 築年月     23年(平成6年築)
  • 建物面積 199.73㎡
  • 土地面積 247.00㎡
  • 間取り     6LDK
  • 住所 東京都西東京市
  • 価格         7,990万円

参考サイト:西武開発

④例4:完全同居型

  • 築年数 築33年(1984年築)
  • 建物面積109.66m²
  • 土地面積 225.68m² (公簿)
  • 住所 千葉県
  • 価格 780万円

参考サイト:HOME‘S

二世帯住宅の中古物件は、親切なサイトですとタイプの詳細が書いてありますが、だいたいが二世帯住宅向きという表記になります。特に一部共有型で物件を探す方は、まずどの設備を共有するかなどをきちんと決めて探すことをお勧めします。

3、購入に際し、かかる費用

住宅を購入する際に、やはり建築費以外の費用も考えなければなりません。

どのような費用が必要かを知っておくと、費用のトラブルを避けることができますよね。ここでは一戸住宅を建てた際に必要な費用をご紹介します。

(1)不動産購入取得に関わるお金

新築・中古問わず、住居を購入する際には物件代や土地代とは別に諸費用がかかります。これらの諸費用について見てみましょう。

  • 申込証拠金…物件の購入申し込みをする時に不動産会社に支払うお金。購入をやめる時は返金されます。目安2~3万円。中古物件など仲介会社が入る場合はほとんど必要ないです。購入代金の一部になります。
  • 手付金…売買契約時に売主に支払うお金。目安は購入代金の5%~10%程度ですが、一般売主と買主の合意によるので、金額は高くなることもあります。こちらも最終的に購入代金の一部になります。
  • 印紙税…売買契約書に印紙を貼る形で支払われる税金。
  • 仲介手数料…仲介会社を通して不動産を購入する際に仲介会社に払う手数料。金額は「物件価格の3.24%+6万4800円」が上限になっています。
  • 不動産取得税…家を買う際に「土地」と「建物」それぞれにかかる税金です。前述しましたが二世帯住宅の場合は、軽減される場合もあります。
  • 固定資産税・都市計画税…毎年一月一日に土地や建物を持っている人に対してかかる税金です。原則として金額は固定資産税評価額(評価額)に税率をかけたものとなり、税率は市町村によってことなります。こちらも二世帯住宅は条件によって軽減されるものです
  • 登記費用…家を買ったり、経てたりする際に土地や建物の所有権の保存や、移転などを登記する不動産登記や住宅ローンを借りる抵当権設定登記の際に必要な登録免許税や、不動産登記の手続きを司法書士に依頼する場合の報酬のことです。

①ローン契約に関わる費用

  • 印紙税…不動産の売買契約書以外にも、ローン契約書に印紙を貼る形で支払われる税金が必要になります。
  • ローン借入費用…住宅ローンを借りる際に必要な費用のことです。具体的にはローン事務手続き手数料、ローン保証料、団体信用生命保険特約料、火災保険料などのことになります。

②その他

  • 水道負担金…水道加入金や給水分担金ともいいます。新たに水道を利用する際に必要になる場合があります。自治体によって必要かどうかや金額も異なります。
  • 家具購入費用…今まで使っていた家具などが新居に合わない、入らないということがある時に考えておいたほうがいい費用です。
  • 引っ越し費用…現在の住まいから新居に引っ越すための費用です。引っ越す二世帯住宅によっては、親世帯と子世帯の両方で引っ越し費用が必要にもなります。また新居に引っ越すまでに仮住まいに住む期間があれば、その分の家賃や引っ越し費用も必要になります。

4、まとめ

いかがでしたか?今回はさまざまな二世帯住宅と購入費用についてお話させていただきました。

二世帯であることのメリット・デメリットを踏まえ、住まいの形を検討していただけたら幸いです。

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