一生に一度の理想のマイホーム作り。テレビや雑誌を見てはこんな家にしよう! と夢を膨らませていることと思いますが……注文住宅ってどこに頼むのがベストなの? とお悩みかと思います。
注文住宅を作るには大きく分けて
- ハウスメーカーに依頼する
- 工務店に依頼する
- 建築設計事務所に依頼する
という方法があるのですが、それぞれどんな特色や違いがあるかご存知ですか?ここでは絶対満足するマイホームを建てるべく、それぞれの違いやメリット、デメリットについてご説明していきます。
■ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所の違い
ここからはより深く、ハウスメーカーと工務店、建築設計事務所の特色や違いを見ていきましょう。
□ハウスメーカー
- 数多くの実績に基づき設計パターンを用意しているので、細かく自分で決めなくても自分のライフスタイルにあった住宅デザインを提案してもらえる。
- 建材や設備などを大量に仕入れることができるので、最新の設備を工務店や建築設計事務所より比較的安く入れてもらえる。
- 最新の性能の設備を入れたり、最新の工法を取り入れている
- モデルハウスを実際に見学し目でみて確認することができる
- 大手のハウスメーカーなどは業績もあり、倒産などの心配がなく安心感がある
- ハウスメーカーには建築士、営業、カスタマーサービス、インテリアコーディネーターなどが揃っているのでトータルでサービスが手厚い
- 住宅ローンが通りやすい
□工務店
- 地域に根ざしているので、その地域の地理的特性を理解し最善の建築を提案してくれる
- 地元密着型なので、家を建てたあとも気軽に相談できたり細やかなアフターフォローをしてもらえる
- 地元の施工例を見て確認ができる
- 無駄を極力省いて予算を削減し建てることができる
□建築設計事務所
- 予算をかけたいところと、逆に予算をかけたくない部分など臨機応変に設計してもらえる
- 自分のライフスタイルに合わせ細部にわたりこだわり抜いて理想通りの家を建てられる
- 変形、狭小住宅など、どんな土地でも対応してもらえ最善の提案をしてくれる
こうやってみると、それぞれ違いがあるのが分かっていただけるかと思います。ご自身の性格や理想のライフスタイルに合わせて選びたいものですね。
■こんな人におすすめ!
ではご自身がどこに注文住宅を依頼すればベストなのか、以下の質問に答え、それぞれの記号の数を数えてみましょう。
- 普段から一人で行動することが多くどちらかというと人付き合いが苦手 A
- 洋服などを選ぶ際、流行よりも自分に合った物を選ぶ B
- 決断が苦手! 誰かに決めてもらった方が楽 C
- 普通だね、と言われるとは何より心外 A
- 仕事が忙しく、あれこれ考える暇があまりないけどこだわりたい B
- 自分の好きなものしか置きたくない! ハサミ一つもこだわりたい A
- 仕切るのが苦手。いくつか候補をあげてもらって選びたい B
- とにかくスピード重視。遅いとイライラする C
- ライフスタイルに強いこだわりをもっている。A
- 普段から冒険しない。買い物するにも大手メーカーだと安心。C
Aが多かった方は建築設計事務所、Bが多かった方は工務店、Cが多かった方はハウスメーカーがおすすめです。
自分の気に入ったものしか周りに置きたくなかったりライフスタイルすべてにこだわりを持っているという方はやはり建築設計事務所をおすすめしますし、堅実で「大手」であることに安心感を持つ方や待つのが苦手だったり、細々としたことを決めるのが面倒な方はハウスメーカーが断然おすすめです。
また普段からシンプルなものが好きで、人付き合いが好きな方は地域密着型の工務店が合うかもしれません。
■ハウスメーカー、工務店、建築事務所の施工例
さてここからは、イメージがしやすいようにそれぞれの施工例とハウスメーカー別の特色を見ていきましょう。
□大手ハウスメーカーに注文住宅を依頼した場合の施工例
それぞれのハウスメーカーの施工例をご紹介していきます。
- キムタクがCMに出ているローコスト住宅のタマホーム
http://www.tamahome.jp/products/lineup/
タマホームと言えばローコストであることが有名。低価格でも標準設備の充実した家づくりで急成長しています。不必要な人件費をなるべく抑えたり、設備を大量発注することにより単価を抑えるなどして低価格住宅の提供が実現しています。
出展:タマホーム
http://www.tamahome.jp/products/lineup/
- シンプルイズベスト! 時代を超え価値を受け継ぐミサワホーム
http://www.misawa.co.jp/kodate/
抜群の企画力と独自性で魅力的な家づくりを得意としているミサワホーム。グッドデザイン賞を受賞した「蔵のある家」は、1階と2階の間に大収納空間である「蔵」を作りだすことで収納力をなんと50%以上もアップさせることに成功しました。また極寒に強い家づくりも得意としています。
出展:ミサワホーム
http://www.misawa.co.jp/kodate/ziturei/detail/155
- 環境に優しいエコ住宅で人気のセキスイハイム
セキスイハイムと言えばエコハウス。オール電化太陽光発電を組み合わせ、寒暖差があってもエアコンいらずの高気密・高断熱、光熱費のかからないエコハウスづくりを得意としています。
出典:セキスイハイム
http://www.sekisuiheim.com/case/c025/index.html
- 40年以上の実績を持つ老舗ハウスメーカー積水ハウス
40年以上の実績をもつ老舗ハウスメーカー積水ハウス。ハウスメーカーの中でもハイクラスな住宅のイメージが強い積水ハウスですが、実は予算やライフスタイルに合わせ幅広い選択肢から選ぶことができるのも大手老舗ならではとも言えます。
出典:積水ハウス
http://www.sekisuihouse.com/example/
- パナソニック製品で揃えるオール電化が特色のパナホーム
母体がパナソニックのためブランド力とパナソニック家電をフル装備したエコ住宅に積極的に取り組むパナホーム。またパナホームしか採用していない独自の空調システムの「ピュアテック」が非常に特徴的です。
出典:パナホーム
http://www.panahome.jp/casart/kodawari/design/
- ロングライフがこだわり。アウトドアリビングが特色のヘーベルハウス
http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/index.html/
「ロングライフ」をキーワードに掲げ丈夫で長持ち、長寿住宅が最大の特徴であるヘーベルハウス。また地震や火災などにも強い住宅を提供しています。坪単価は高いですが、30年間メンテナンスが無料であることも丈夫で長持ちな家である自信の現れとも言えそうです。
出典:ヘーベルハウス
http://www.asahi-kasei.co.jp/hebel/lineup/lifestyle/outdoorliving/index.html/
いかがでしたか?一言でハウスメーカーと言っても、ハウスメーカーによっても特色があり、それぞれ他社にはないオリジナリティを出しています。ハウスメーカーに依頼する場合、各ハウスメーカーの展示場に実際に出向き、家を見学しながらメーカー独自の特色やこだわりポイントなどを聞いてみることをおすすめします。
□工務店に注文住宅を依頼した場合の施工例
地域密着型の工務店。施工例をご紹介していきます。
出典:東京 サクラ工研「地上2階 地下1階のSE構法の住まい」
http://www.sakurakouken.jp/works/works01/445.html
出典:北海道 三五工務店「質感と健康、座る暮らしにこだわった自然素材の家」
https://www.sdc-project.jp/hokkaido/details/1177/
出典:大阪の工務店マイホームセンター「本物の無垢の家」
http://www.myhome-center.net/cases/n4.html
出典:沖縄 Saias「無添加住宅 アンティークが彩る家」
http://www.saias-home.co.jp/case01/5176.html
ハウスメーカーに比べ、やはり工務店の方がデザインに独自性がありこだわりがありそうです。また、工務店は地元密着型なので、その土地の風土や地域の特徴をよく知っています。その地域に合った家づくりができたり、家が完成した後も地元に工務店があるため、すぐに相談に乗ってもらえる良さがありそうです。
それでは次は建築設計事務所の施工例をご紹介しましょう。
□建築設計事務所の施工例
今からご紹介するのはFREEDOM ARCHITECTS DESIGNが建築設計した「あまやどりの別荘」です。全てにこだわり抜いて設計、建築されているのが良くわかるかと思います。1軒丸ごとご紹介しましょう。
以下の「あまやどりの別荘」画像出典元:FREEDOM ARCHITECTS DESIGN
http://www.freedom.co.jp/architects/high
スタイリッシュなデザインなのに自然と溶け合っています。
風通しの良さそうなのが一目で分かりますね。
廊下に施された間接照明が非日常な雰囲気を作り出しています。
バスルームと洗面所の間もガラスの扉と仕切りで広々。バスルームもよくありがちなプラスティックの物置などがないのでホテルのように洗練されていますね。
外に広がる木々を見ながら入れる開放的で清潔感のある贅沢なバスルーム
窓が広く開放的な作りとなっています。また洗練されたデザインなのに木のぬくもりが伝わってきそうなフロアがとても魅力的です。
ライトにより幻想的な空間になっています。
木と天井を同じ材質にすることで統一感が出ています。またゆったり家の中で過ごしながら自然の中で過ごしている感覚を感じられそうですね。
なんともため息の出るほど贅沢な家ですね。家を建てる方がどんなライフスタイルを送りたいのか、家でどのように過ごしたいのかイメージができるような住まいです。
建築設計事務所は工務店よりも、よりデザイン性や独自性に富み、細部に渡りこだわりぬいて自分のライフスタイルに合わせ、理想の家づくりができることが最大の利点と言えます。
また、こだわり抜いて予算をかけたいところとそうでもないところをうまく予算内で調整できるところも良い点と言えます。
■ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所それぞれのデメリット
さてここまで、各大手ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所それぞれの特色や施工例を見て頂きましたが、デメリットについてはお伝えしていませんでした。ここからはデメリットや実際に起こりうることなどをご紹介していきましょう。
□ハウスメーカーに依頼した場合に起こりうること、デメリット
- 規格住宅のため規制が多く、工務店や建築設計事務所に比べ自由度が低め
- 広告宣伝にかかる費用や展示場にかかる経費、人件費などコストがかかるため、その分割高感がある
- 営業と設計、施工が別々のため、コミュニケーションに行き違いが起こりことがある
- 仕様変更などをすると追加料金が思いのほか高額になりがち
□工務店に依頼した場合に起こりうること・デメリット
- 大手に比べ規模が小さいため、倒産などのリスクも考える必要がある
- 実際に展示場などで家を見て確認できないためイメージがしにくい
- ハウスメーカーに比べ工期が長くなりがち
- 工務店により技術力の差がある
- 住宅ローンなどの手続き等、全て建て主自身が動かなければならない
- デザイナーがいない場合、おしゃれな家などの提案をしてもらいにくい
□建築設計事務所に依頼した場合に起こりうること・デメリット
- 設計期間、工期が長くなる事が多い
- こだわりの強い建築設計士の場合、建て主と建築設計士との間で意見が食い違い話が進まなかったり、建築設計士の好み通りにデザインされてしまうことがある
- デザインにこだわりすぎて機能的でなかったりすることで、後々メンテナンスなどに大きな費用がかかることがある
- 設計と施工それぞれ別に発注しなければならないため手間がかかる
- あれこれ理想通りに近づけようとすればするほど予算を大幅に超えがち
■ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所の比較
さて、ここまでそれぞれの特色やメリット・デメリットなどをご紹介してきましたが、パッと見て判断して頂けるよう比較表をご用意しました。
メリット | デメリット | こんなな方に | |
ハウスメーカー | 実際にモデルハウスを見て確認できる
倒産などの心配がない トータルでサービスが手厚い 住宅ローンが通りやすい 工期が早い |
規格住宅のため設計や仕様変更などの自由度が低い
オプションなどを追加していくとかなり高額になりがち |
安心・安定を重視したい方に
自分ですべて決めるのが面倒な方 住みやすく機能的な家に住みたい方 |
工務店 | 地域に合った提案をしてくれる
アフターフォローをしてくれ安心提案してくれる 無駄を省いてローコストな家を建てられる
|
工期が遅い
工務店によって技術力に差がある 住宅ローンなどの手続きは自分で動く必要がある
|
ローコストの家を建てたい方
デザインにある程度こだわりたいけれど、予算はとことんまで削減して建てたいという方 アフターフォローを重視する方 |
建築設計事務所 | 予算をかけたいところとかけたくない部分など臨機応変に設計してもらえる
自分のライフスタイルに合わせ細部にわたりこだわり抜いて理想通りの家を建てられる
|
設計・工期が長い
設計・施工それぞれ依頼するので手間がかかる デザインにこだわりすぎて住んでから機能的でないことに気付いたりメンテナンスなどに大きなお金がかかることがある |
ライフスタイルや好きなものへのこだわりが強い方
理想通りの家に住めるなら少々面倒くさいことも我慢できるという方 |
■最終的にどこに依頼するとベストなのか?
ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所それぞれの違いが分かり、ご自身にとってベストなのはどこかイメージできたかと思いますが、大切なのはその中でも「どこに依頼するのか」です。
ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所は山ほどあります。口コミを調べたりすることも有効ではありますが、全ての業者の口コミを見られるわけではありません。
そこで大切なのはご自身の目と感覚です。ハウスメーカーなら実際に住宅展示場に足を運んで営業担当者と話をしたり、工務店や建築設計事務所においてもインターネットで自分が気に入ったデザインの家を建てている会社や事務所を実際に訪れ、希望通りの家を建てることが可能かどうか相談しつつ自分に合うかどうか感覚を研ぎすまし確認しましょう。
その際、丁寧に建て主がどんなライフスタイルを送りたいのかをしっかり聞いてくれるかどうか、も大きな見極めポイントとなります。
また、良いことばかりをあげ連ねるのではなく、事実や起こりうることをしっかり伝えてくれたり、ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所それぞれのメリット・デメリットをあらゆる視点で話してくれるか、などを目安にし、あなたに合った依頼先を見つけましょう。
■まとめ
ここまで、ハウスメーカー、工務店、建築設計事務所の違いや特色、メリット・デメリットについて説明してきましたがいかがでしたでしょうか?
マイホーム建築は人生の大きなイベントです。また多くの時間を過ごすことになる場です。一切の妥協なくあなたに合ったマイホーム建築を実現させてくださいね。